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「こんな将来役にも立たないことを、なんで我慢してやらなきゃいけないの?」塾講師、家庭教師をしていると、よく耳にする台詞ではあります。
さて、現在人類の全人口は80億人に達しようとしています。他の多くの生き物がその数を減少させている中で、これは驚くべき数字です。家畜は別です。皮肉な話ですが・・・
何がここまでヒトを繁栄させたのか?いろいろと説はありますが、よく言われる理由として、その巨大な脳の存在があります。この脳はただ大きいだけでなく、勤勉に働いて想像力を膨らませることが好きなようです。農業の発達によって豊かになった古代の人間社会において(古代ギリシャやローマなど)、時間を持て余した一部のエリート層や支配者層の者たちはただ遊んでいたわけではありません。その余った時間と食料は、数多くの学問、芸術、哲学、社会制度などを作り出す大きな原動力となったのです。
しかし、悲しいことに近代初期になるまで、人類の9割以上は朝から晩まで働きづめの農耕民でした。彼らにはその巨大な脳を自由に遊ばせてやる余裕などありません。ここ日本では、明治時代になってようやく学制が発布され、すべての子供たちが学ぶことを許されるようになったのです。
ここで、少し私の叔母の話をしたいと思います。彼女は昭和初期に田舎の農家に生まれ、小さい頃から本を読むのが大好きだったそうですが、明治生まれの両親からは家で勉強することを禁じられ、そんな暇があったら家の仕事を手伝え、と言われて育ちました。困った叔母は、押し入れに隠れて宿題をしたり読書をしたりしていたそうです。その後彼女はなんとか高校までは行かせてもらい、卒業後は普通に結婚して主婦となりました。3人の子宝にも恵まれ幸せだったとも思うのですが、それでも彼女は学ぶことを諦めきれなかったのでしょう。理解のある夫の助けもあり、独学で勉強をやり直し、子育てをしながら大学に入学したのです。結局叔母はそのまま大学で研究を続け、体が言うことをきかなくなるまでその大学で教鞭をとりつづけました。
ヒトはいったい何のために学ぶのでしょうか?
それはチンパンジーやゴリラなどの霊長類が、新しいおもちゃを与えられて目の色を輝かせるのと大差ない理由なのかもしれません。この巨大な脳は好奇心に満ち溢れていて、何かを考えたり、作り出したりしたいという欲求で一杯なのかもしれません。
「学ぶ」ということに対して、もう一度素直な気持ちになって考えてみてほしいと思います。それは本来ヒトというおかしな生き物の本能のようなものなのですから。