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KATEKYO学院高田駅前校の渡邉です。今回は私が最近見つけて気に入っている昭和時代の歌を紹介します。『愛は心のフルコース』(作詞:阿久悠/作曲:筒美京平)です。インターネットで曲名を検索すると聞けるサイトが見つかります。聞けない人は、よかったら歌詞を調べてみてください。
この楽曲は、こんな言葉遊びのような歌詞から始まります。
〽 愛せない 愛します 愛する 愛するとき 愛すれば 愛せよ~
〽 せ し する する すれ せよ~
国語の授業でする動詞の活用練習みたいですね。私は面白がってこの部分ばかり口ずさむようになってしまいました。さあ、この歌で文法をちょっと復習しましょう。
①まず、一行目の歌詞のように「~ない・~ます・~。~とき・~ば・~!」で確認できる活用形はそれぞれ何でしょう?
順に「未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形」ですね。続けて未然形に戻って「~う(よう)」を加えるのもいいですね。
②二行目は動詞の活用語尾が順に並んでいますが、この活用の種類は何活用と考えられるでしょう?
答えは、サ行変格活用です。未然形は「し」だけでないことも思い出せましたか?
[未然]さ、し、せ [連用]し [終止]する [連体]する [仮定]すれ [命令]しろ、せよ
③一行目の歌詞にはサ行変格活用の「愛する」の活用形が並んでいるのですが、実は「愛する」とは別の動詞も登場しています。どこでしょう?答えは、「愛せない」の部分です。
確かにサ行変格活用の未然形の活用語尾には「せ」もあるのですが、「愛せない」の「愛せ」は、学校で学ぶ国文法の分類では「愛する」ではなく下一段活用動詞「愛せる」の未然形になります。「愛せる」は一語で「~できる」の意味を持つ可能動詞です。
「愛する」に助動詞「ない」をつけるなら「愛しない」となります。でも実際には「愛しない」という言い方はあまりしませんよね。だからこの歌詞では、未然形の部分だけ差し替わっているのでしょうね。打消しの意味で自然な言い方だと「愛さない」となりますが、このときの「愛さ」も学校文法では「愛する」とは別の動詞で五段活用の「愛す」の未然形です。
「愛しない」でも「愛さない」でもなく、可能動詞を混ぜて「〽 愛せない」と歌い出すことで、なんとなく歌としての良さが増している感じがします。
さて、「愛する」もそうですが、サ行変格活用動詞の中には学校文法と一般的な感覚で合わないものが結構あるんです。基本は手持ちの教材に載っている動詞の例で整理しましょう。
最後に、高校生に向けて文語も。
[未然]せ [連用]し [終止]す [連体]する [仮定]すれ [命令]せよ
当時はこの歌のおかげで動詞の活用が早く覚えられたという学生さんもいたそうですよ。音楽も学習の味方ですね。
そして、今のみなさんにはKATEKYOもついていますよ!
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